2025年に農園を訪問しました！ スペシャルティコーヒー豆・粉
ミャンマー グリーンランド農園 200g
SL34 / ウォッシュド
Myanmar Green Land Estate / Washed / City roast

ミャンマーのスペシャルティコーヒー

アジアは、南米・中米・アフリカほどスペシャルティコーヒーの産地としてはまだ有名ではないかと思いますが、近年インドネシアはもちろん、インド・タイ・中国・台湾などアジアのコーヒーも少しずつ注目されています。

ミャンマーコーヒー協会では、アメリカなどの消費国が中心となり、資金援助と5年間の技術指導（Qグレーダー取得制度、カップの取り方、精製方法、土壌改良など）を行うことで、高品質のスペシャルティコーヒーを生産できる農園を増やすという活動が行われ、近年、ミャンマーはコーヒー豆の生産地として栄えてきています。

今回、ミャンマーのスペシャルティコーヒーを信頼のおける生産者より、入荷致しました。

グリーンランド農園

グリーンランド農園は、ミャンマー北部のマンダレー地方と北シャン州に近いピンウールウィンとモーコックの間の街道沿いにあります。

山間部とは言え、コーヒーを栽培する上では標高は特段高いとは言えませんが、ミャンマー北部ということで、緯度が高いことからコーヒーチェリーの成熟にかかせない寒暖差が生まれます。

また、ミネラル分が豊富な赤土の土壌が広がっていることから、スペシャルティコーヒーの栽培に適しています。

農園主の挑戦が実らせた高品質コーヒー

オーナーのサイワン・マイン氏は、Qグレーダー（コーヒーの品質を評価する国際資格）の資格を保持しており、ミャンマー国内でも有数のアラビカコーヒーの大規模農園の運営を行い、コーヒー豆の品質競技会ではいくつもの賞を受賞しています。

かつて、ゴムの木の樹液採取の仕事をしていましたが、採取するために朝3時に起きて採取しないといけないという過酷な職であることから、1999年にコーヒー農家に転身されコーヒー栽培をスタートしました。

広大な大地で育まれる確かな品質

栽培品種はT-8667、T-5175、そして当商品SL34などがきちんと区画分けされています。

農園面積は700エーカーとミャンマーでは大きな面積で、約60万本のコーヒーノキが植えられています。

同農園は、2016年ミャンマーのカッピングコンペティションにて優勝、またCQI（Coffee Quality Institute）が87.08点と高評価する注目の農園です。

グリーンランド農園の名前の由来は“赤土にシェードツリーやコーヒーノキを植え、育つ頃には赤土が緑に染まる”ことからきているそうです。

▲シェードツリーの苗木たち

持続可能な農園に

ここでは、ピッカー不足を解消するとともに、完熟したチェリーを収穫してもらうことで業務効率を向上させています。

そのために、ピッカーさんのお給料を完熟チェリーの重量制にしたり、毎朝の朝礼でコミュニケーションをとることで関係性の構築を行っています。

丁寧な選別

収穫したチェリーはそれぞれの区画でロット分けして運ばれ、糖度を測り、比重選別機にかけて浮いたチェリーと適正なチェリーとに分けていました。

軽くて浮いた適正でないチェリーはフローターと呼ばれ、潰して生豆を取り出すと片方が貝殻豆だったり、中身が空のものなどは自国消費用として精製したり、牛糞と合わせて発酵させて肥料にするなどして再利用されています。

環境を考慮した精製プロセス

ウェットファーメンテーションでは大量の水が使用されますが、この水にはコーヒーチェリーの果汁やミューシレージが溶け出しており、酸性です。

そのまま流すと環境汚染を招くため、石灰でpHを中性にしてから農場の水やりなどに再利用しています。

現地で見て、体験した乾燥工程

農園訪問時には、ナチュラルプロセスにおける乾燥工程を体験させていただきました。

乾燥は、天候によって水分値が変わるため水分量を測りながら行われています。
果実が黒みを帯び乾燥皴が顕著になると、夜間はシートで夜露を防いだり、収穫日毎に乾燥箇所を分けているそうです。

1日目のコーヒーチェリーと10日目のものとでは、見た目からもその違いがはっきりと分かります。

また、パティオで乾燥させている豆たちをより均一に乾燥させるために、トンボを一時間に一回かけます。

トンボをかける方向も決まっており、太陽を背にした自身の影の方向に向かってかけます。

そうすることで、ちゃんと日が差ししっかりと均一にすべての豆を乾燥させることができるそうです。

フルーティーでまろやか、バランスのとれた一杯

リンゴをかじったときのようなみずみずしく透き通った甘さと、オレンジを思わせる明るくジューシーな酸味が軽やかに弾けます。
あとに続くミルクチョコレートのような優しい甘さとほろ苦さが、味わい全体をやさしくまとめ、心地よい余韻を残します。

カフェタイムや食事のあとなど様々なシチュエーションで相性が良く、日常に寄り添ってくれる一杯です。

その一杯に、生産者の想いと情熱を込めて

豊かな自然環境のもと、丁寧な栽培と精製によって生み出されるグリーンランド農園のコーヒー。

代表の辻本とスタッフ2名が実際に現地を訪れ、生産者たちの想いを感じ取ってきました。
その温もりが詰まった一杯を、ぜひお楽しみください。