挽きたてのコーヒー粉にお湯を注いだ時、
\ ムクムクッ モコモコモコッ /
と、膨らむと何だか嬉しくなるのはツジモトだけでしょうか?
特に抽出における一投目(蒸らし)はコーヒー粉がお湯に触れることで水分が粉に浸透し、焙煎の際に生成された炭酸ガス(主に二酸化炭素)や香気成分が一気に放出され細かな気泡ができコーヒードームと呼ばれる膨らみがモコモコモコと出来ます。
膨らみが大きくなるポイント!
蒸らしでコーヒー粉が大きく膨らむポイントとして、どのような事が挙げられるでしょうか?
ここでは膨らみにフォーカスしてポイントをご紹介します。
1.鮮度 フレッシュ♪
目の前のコーヒー豆が焙煎してからどのくらい時間・日数が経過しているか?
焙煎したてのコーヒー豆は多くのガスを含んでいますが、徐々に放出され1ヶ月近く経過すると膨らみも弱くなってしまいます。コーヒー豆をお買い求めの際は自家焙煎店で煎りたてのものを選ぶのがオススメです。
辻本珈琲では鮮度管理を大切に効率化を求め必要以上の焙煎をするのではなく新鮮な煎りたてのコーヒーをご用意するよう努めています(*^-^*)/
2.豆のまま保管
膨らみを意識するならば「豆のまま」高温、多湿を避けて空気・光に触れないよう密閉容器に移し替え保管することをオススメします。そしてドリップ(コーヒーを淹れる)直前にミル(グラインダー)で必要な量だけ挽きましょう♪
3.挽き具合
細かく挽くほど、空気、湯に触れる面積が大きくなりガスの放出量も一気にあがります。
※細かく挽けば美味しくなるという意味ではありません。細かいほど成分が多く抽出されるためポジティブなフレーバーも強くなりますが、同時にネガティブな味わいも出やすくなります。また質感も濃度もバランスが大切です。抽出器具にあった適切な挽き具合がオススメです。
4.焙煎度合い
コーヒーの焙煎度合いによっても豆に生成されるガスの量は異なります。
焙煎の進行によって細胞内の空隙が大きくなり内部にガスが多く含まれます。浅煎りだとガスの含有量は少ないですが焙煎が極端に深すぎても細胞壁が熱と内圧によって破壊されガスが放出されて少なくなります。
5.お湯の温度
抽出時のお湯の温度も影響があります。
注湯するお湯の温度は高いほど細胞壁の内側まで浸透しやすく、ガスの放出スピードが速く総量もおおくなります。
また、注ぎ方もコーヒー粉全体にお湯が浸透するように“蒸らし”においては丁寧にジェントルに注ぐことも大事だと思います(*^-^*)/
アレ?新鮮なのに膨らみが弱い・・・
ここからが本日の本題です。
煎りたての豆を購入したはずなのに膨らみが弱い・・・
「エッ!古い豆を売ってるの!?」
そう疑心暗鬼になってしまうことが時にあるかもしれません。
淹れ方でもっとコーヒーが楽しくなります!
前述しているように焙煎度合いが浅い場合は、煎りたての新鮮なコーヒー豆でも中煎りや中深煎りの豆に比べると細胞壁の空隙が小さく含まれるガスも少ないため膨らみが小さくなります。また、浅煎りの豆は水分量が多く重いためドリップ中に粉が沈みやすく新鮮であっても膨らみにくくなります。
浅煎りは多くのフレーバーを楽しめる私も大好きな焙煎度合いです。
膨らみが弱いからと言って品質や鮮度に結び付けないでくださいね。
もし、味が薄いなぁと感じられたら、成分を多く引き出すため湯の温度をいつもより高く設定して蒸らしも長くとってみてください。様々なテロワールで育まれたフレーバーがコーヒーの多様性を感じさせてくれると思います。
デカフェ(カフェインレスコーヒー)も膨らみ控えめです
デカフェ(カフェインレスコーヒー)の焙煎豆をご利用のお客様からも「味は美味しいけど、鮮度はイマイチかなぁ。豆をひいてドリップしても膨らんでこないです。」とお声を頂いたことがございます。
ご心配お掛けしてすみませんm(_ _)m
デカフェにつきましては生豆の時点でカフェインを取り除く工程があります。カフェイン抽出工程を経ているため、焙煎の鮮度に関わらず「炭酸ガス」を発生する成分が少なくなり通常のコーヒーよりも炭酸ガスの含有量も少なくなっています。
また、カフェイン除去プロセスによりコーヒー生豆の細胞壁が脆くなり、焙煎することで炭酸ガスを内包する細胞壁が破壊されることも原因の一つと考えています。
そしてもう一つ、辻本珈琲では焙煎も通常のコーヒーと少しだけ変えています。
カフェインレスコーヒーは液体二酸化炭素抽出法、スイスウォータープロセス、マウンテンウォータープロセスといったカフェイン除去方法によりカフェイン残留率を0.1%以下まで抑えています。
このプロセス特有の風味が残っていて時として焙煎によっては、コーヒー本来の風味を阻害してしまう事があります。
私たちは、カフェイン除去に起因するプロセス臭を少しでも抑えてコーヒーの味わいをお楽しみいただけるよう、そして脆くなった細胞壁を極力壊さぬよう(ここはイメージですが)スペシャルティコーヒー豆を焙煎するときよりも焦がさぬように火力は少しだけ抑えつつ焙煎時間を長く深く仕上げたり工夫しています。
デカフェは、どうしてもコーヒー豆に含まれる炭酸ガスの量が少ないため抽出の蒸らしでの膨らみ(コーヒードーム)が小さく物足りなく感じる場合があるかと思いますが、上記の理由もあり必ずしも鮮度に問題があるという事ではないのです。
お気に入りのシチュエーションや器で丁寧に淹れたコーヒーの香り、味わいをお楽しみ頂き「すてきなじかん」をお過ごしいただけたら幸いです。
/
\