AlejandroさんとMichelleさん in 辻本珈琲

2025年11月11日(火)、辻本が尊敬しているグァテマラのコーヒー生産者Alejandro Morales(アレハンドロ)さんと奥様のMichelle(ミシェル)さんが昨年に引き続き2度目となる辻本珈琲へ訪問してくれました。

アレハンドロさんは、グァテマラ西部、メキシコ国境に近いウエウエテナンゴ県の山岳地帯に位置するROSMAを運営するトップスペシャルティコーヒー生産者です。ROSMAのコーヒーは火山と標高2,000mを超える山々に囲まれ、澄んだ空気と肥沃な火山性土壌、そして寒暖差といった微気候に恵まれたコーヒー栽培の名産地として有名です。ROSMAがあるウエウエテナンゴは「ハイランド・ウエウエ」とも呼ばれグァテマラ国内でも特に高品質コーヒーの産地として毎年多くのコーヒーバイヤーが買い付けに訪れます。

ロスマの特徴とストーリー

ロスマ農園を中心に家族で力をあわせて運営するモラレスファミリーは9つの農園を管理しているスペシャルティコーヒーの先駆者的存在です。ご近所のコーヒー生産者ともコミュニケーションを大切に地域全体で風味の素晴らしいスペシャルティコーヒー生産に取り組んでいます。一年に一度、生産国各国で開催されるスペシャルティコーヒーの品評会「Cup of Excellence(カップ オブ エクセレンス)」においても常連となり毎年上位にROSMAを中心にグループの農園が名前を連ねています。

辻本珈琲で昨年2024年に販売していましたロスマラゴも彼らのコーヒー銘柄の1つです。2025年~2026年は同グループのPlan De La VegaのCrazy Coffee(クレイジーコーヒー)、Rosma “LOMA”のGesha、そして「カップ オブ エクセレンス 2025」で見事1位を受賞し辻本珈琲がオークションで落札しましたLa Gran ManzanaのGeshaを販売いたします。 ⇒ グァテマラ COE オークション結果はこちら

アレハンドロさんに聞いてみました by 石谷

辻本珈琲のバリスタとして活躍する石谷(愛称ロッキー、ようこちゃん)がアレハンドロさんに質問しました。

アレハンドロさんに質問コーナー
  • What is your particular things to produce the coffees as ROSMA?

   ROSMAとしてコーヒーを生産する上で重要視している点は何か?

アレハンドロさんは丁寧に、そして情熱的に答えてくれました。

4つの重要なポイントがあります。

1.Variety-DNA(品種の遺伝子)

Seed(種)やNuesery(苗)を各農園へ植樹する際にはそれらが品種として呼称されているもので間違いないことを20年以上の経験からTry & Errorを繰り返していく中でとても重要視しています。

たとえば、La Gran Manzana のGesha種はRosma のGeshaから、更にさかのぼるとその苗はPanamaから取り寄せたものだそう。

2.Microclimate(農園のある場所の環境条件-標高や土壌など-)

マイクロクライメイト(微気候)、自然由来の資源を最大限に活かしたコーヒー栽培を行う。もともと生育していた木々はむやみに伐採するのではなく時としてコーヒーノキへの直射日光を防ぐシェードツリーとして活用するなど動植物を大切にしているそうです。

3.Agronomical Management(農園管理)

あらゆる病虫害の対処(Fungus=Foma,Royaなど)、正しく適切なタイミングでの施肥、コーヒーノキの剪定、シェードツリーの調整、植樹の間隔、水源確保など常にコーヒー栽培における最適化を行っています。

4.Processing(生産処理工程)

・Natural/Honey/Fully Washedと様々な精製処理を行うがいかなる生産処理方法であっても品質を損なわないよう細心の注意を払っている。

・Wet mill(ウェットミル / 精製処理工場)内の機械、発酵槽、水路はいつも綺麗な状態に保つ。ツジモトは10年にわたり様々な農園やウェットミルを見てきましたが驚くべきことにクリーン(風味がとても綺麗で澄んでいる)なコーヒーは一様にしてウェットミルが綺麗でした。買い付けの際大切にしているポイントの1つです。

・Drying(乾燥工程)は最重要で約10年前は乾燥に十分なキャパシティーがなく生産が追い付かないといった苦しい時期もあったが知識や方法をPDCAサイクルを繰り返す中で適切な場所、適切な時間を見極めることが出来るようになりました。

・Storage(保管)についても乾燥工程と同様にこれを間違えてしまうと品質に大きく影響があります。現在は湿度が高くないドライな環境があるHuehuetenango cityのAguacatones農園横の倉庫に乾燥を終えたチェリーやパーチメントを輸出されるまで保管できるようになりました。

この4つの要素はとても重要視していて一つでも欠けてしまうと私たちが考える高品質なスペシャルティコーヒーは出来ないんだ。

アレハンドロさん、ミシェルさんはとても優しく温かなご夫婦です。コーヒーを楽しんでくださるお客様とコーヒー生産者の橋渡しをさせて頂く私たちコーヒーロースターのスタッフ全員に握手と喜びの声を聞かせてくれました。つづく